登山用靴下が足の臭い撃退に大きな力を発揮する

登山

十数年前に友人から突然、「山登りに行かない」と誘われて人生初の登山を体験しました。石川県の霊峰「白山」に登りました。もちろん夏山ですけどね。
驚いたのは、この時初めて履いた登山用の靴下がかなり機能的に優れている事にきづきました。

普段、あまり靴下にそれほど関心がなく

・3足で980円のお得感のある物を買う。

・片方なくしてもいいように同じ種類をまとめて買う。

・穴があいたらすぐ捨てる。

だいたいこんな感じで考えていた私ですが、登山の経験を期に考えが180度かわりました。なぜなら道中、過酷な状況でも足の状態が非常に良い状態に保たれていたからです。

想像していた以上に大変でしたけど、その時のシューズ、靴下、アンダーウェア、ザック等々のアイテム選びが、後になって汗、臭い対策にはかなり効果的だったのではないかと思うようになり、特に足の臭いや、その他足のトラブルで悩みを感じている方は、最後まで読んでみてください。

登山と言うと、ウォーキングの延長ぐらいに考えていた私は、友人のアドバイスやショップの方からの提案を聞いていくうちに、登山というのは、かなり大変な事なんだと自覚し真剣に取り組みました。

なかでもシューズ選びがもっとも重要なのですが、ふもとから頂上まで重いザックをしょって、長い時間足に強い荷重がかかる登山において、シューズ選びはアイテムのなかで最も重要な装備なのは言うまでもありません。

しかし、そのシューズの機能を十分に発揮し足の状態を一定に保って登山を楽しむには、ソックスの機能もプラスされて最大限の効果がえられるといっても過言ではないことを教わりましたよ。

どれだけ高機能なインナーやアウターを身に着けていても、足元に落ち度があると、ほんの少しのストレスでも劣悪な登山道を長時間歩いているうちに、少しずつそこから体力が奪われていき最後には、歩けなくなってしまいます。

今回は、特に足に焦点をしぼって登山から学んだ、普通の生活においても役立つ靴下の選び方のポイントをお伝えしようと思います。

最適な靴下はウールと化繊の混合した素材

結論から先に言いいます。靴下は、メリノ種と呼ばれている羊から取れる羊毛メリノウールと化繊との混紡になっている物が最適です。それぞれの素材がもつ良い性質の部分をバランス良く織り込み、履き心地、汗の吸収、蒸れをふせぐ速乾性、クッション性、保温性、保湿性など、山登りをする目的に合わせて靴の中を長時間しかも最適に維持できるように作られているからです。

このことから、登山に限らず日常生活でもこれらの素材で作られた靴下を選んでいけば、足の臭いの撃退にはかなり期待できますよ。実際に白山に上った時は真夏で気温が30度を超えるような日でしたが、初体験であれだけ劣悪な登山道を汗をかきかき登ったにもかかわらず、

勿論、足はかなり疲れましたが、靴の中が汗で蒸れてぐちゃぐちゃになっていなかったし、問題の靴を脱いだ時の誰もが一度は嗅いだことのある、あのなんとも言えないクサイ臭いもしていませんでした。もっともその時点では、足の臭いの事より、大小事故なく怪我なく頂上までたどり着けるかどうかが最大の心配事でしたが、

後になって登山用のグッズやアイテムを普段から常時使用していけば、その素材の性質が功を奏して足の臭い問題を解決できるのではないかと思ったわけです。靴下選びを慎重におこなった結果、足も含めて体全体が良いコンディションを保つことができ、結果、山頂まで無事にたどり着くことができたわけですから。

足の臭いの原因をおさらいすると

男性、女性又は夏冬問わず長時間にわたって靴や靴下で足を覆って生活していますが、靴の中の温度が上昇し、汗をかきやすい状態が常に続くことになりますね。すると、密閉状態に近い靴の中は、どうしても高温多湿になってしまい雑菌が増殖してしまいよけいな臭い物質を作ってしまいます。

また足裏から出た汗や摩擦などで剝がれた角質、いわゆる垢などが、もともと皮膚にいる常在菌の栄養分となり分解されて脂肪酸がでます。特に足独特の鼻をつくあの臭いは「イソ吉草酸」という脂肪酸がおもな原因のようです。

要するに、靴の中を高温多湿な状態にしなければ、かなり臭いは軽減できるはずですね。それを実現するために一役買ってくれるのが、メリノウールと化繊を混合した素材なのです。

詳しく見ていきましょう。

足の状態を常に良い環境に保つ為の靴下の選び方とは ?

1・蒸れにくい(吸湿性・発散性・速乾性)

2・疲れにくい(衝撃を吸収する適度な厚み)

3・暖かい (保温性、保温性の高さ)

4・靴の中でよれない(適度なフィット感)

5・チクチクしない(快適な肌触り)

こう書くと、何だそんな事かと思うかもしれませんが、この条件をすべて満たすには、それなりに機能性をもった商品選びをしなくてはならないし、費用もかかります。しかし、足の臭いを改善するには、靴の中の環境を根本から変えていかないと、消臭クリーム、制汗剤、消臭スプレーなどを使用しても、一時的には効果がありますが、本当の意味での解決にはならないんですね。

特に靴下をそれなりの機能を備えた物にかえるだけでもかなり改善が期待できます。

蒸れにくい

ウールは熱を伝えにくいという特徴をもっているので冬は暖かく、また吸湿性と水分を外に発散させる性質に優れている為、夏は涼しく感じます。登山は勿論の事、足の臭いの発生原因の一つである高温多湿状態状態を抑制するには、まさにうってつけの最適な素材な訳です。それにポリエステル繊維などの化繊を合わせてより速乾性をプラスして靴の中の温度、湿度が一定に保たれるよう最適化されているのです。

我が家の近所にジーンズショップがあり、この店にも有名メーカーのソックスが所狭しと陳列されていますが、ほとんどの商品が「綿+ポリエステル」の素材で、メリノウールを使用した物は見当たらないんです。

OUTDOOR用品などを扱っているショップか、登山専門のショップでないと扱ってないようです。綿でも履き心地はかなりいいのですが、吸湿性がやはりウールの方が一枚上手なので足の臭いの改善ということならば、是非「メリノウール+化繊」と表示している物を選んで下さい。

疲れにくい

「疲れにくい」という項目は上記の五つの項目すべてがリンクしていて、これら全てクリアすれば満たされるものだと思いますが、ここでは衝撃吸収の観点から説明します。登山の場合は、登りと下りでは下りの方が衝撃が強いと教えられ、下りでは登りの時より厚手の靴下を使用しました。

後で聞きましたが、白山は中級者向けの山だそうで、全くの初心者の私には結構大変だったのもうなずけます。特に下りが思ったより大変で、どうしてもつま先の方に衝撃が加わるので足の指が詰まる感じがずっとつづくんですね。おまけに手をつかわないと降りられないような段差が激しい半ば崖のような場所が、所どころあったりして、そんな時厚手の靴下が衝撃を和らげてくれます。

これは、日常生活でも当てはまることで、私は職業柄いつも安全靴をはいていますが、なるべく靴底の柔らかい物を選び、靴下も夏冬通して少し厚手の物をつかっています。ハードな作業や長時間立ちっぱなしの作業が続いても、それらがクッションの役割をしてくれて疲れにくくなるわけです。

いつも革靴を履いている男性の方、パンプスやヒールを履いている女性の方はどうでしょうか ?

革靴は靴底が堅いのでそれに薄い靴下では足が疲れやすくなりませんか ? ショップに行くと、女性の従業員の方は大抵ストッキングのみで直接ヒール、パンプスを履いて接客なさっています。当ブログでもヒール、パンプス、それからファミリーレストランのフロアでコックシューズを履いて仕事をされている女性の方の足のトラブルは少なくないです。

お互い職業柄ユニフォームを着なけれなりませんが、靴下は何履いても大丈夫ですよね。靴のサイズと合わせて靴下を見直してみてください。また、パンプスやヒールを履くときに使用するフットカバーでもメリノウール素材の商品ありますよ。

暖かい

靴の中が汗ばんできてやがて靴下が濡れた状態になり、体は汗ばむほどなのに、足の指先だけが氷のように冷たくなっている。登山の場合は、急な天候の変化で登山道に多数の水たまり出現による足元の悪化、標高がたかくなるにつれての気温の低下、こういう要素が加わってくると夏山といえども寒さが襲ってきます。

このような状況下では、体力がどんどん奪われてしまいます。靴下や靴選びを間違えると最悪のシナリオが・・・誘ってくれた友人はこのような恐ろしい話をしてくれました。

日常生活でも全く同じ事がいえるわけで、私はいつも倉庫で作業していますが、だだっ広い無機質な空間で、おまけに荷受スペースが大きく開いているので、年中通して風向きによっては、かなり足腰が冷えます。冷えも含めて靴の中の環境をよくして作業を快適にこなしていくためには、靴下選びがかなり重要な要素となってきます。

まず暖かいことが最優先ですが、作業で汗ばんできても靴の中を一定の環境に保ってくれる素材と言うと、やはりウール素材の物がベストですね。吸湿性と速乾性が優れていると感じています。綿だとどうしても乾きがおそいので、「足先だけ正確には足の指先だけ冷たい」状態になりやすいです。

それから、車で配達に行くときなどヒーターの風を足にあてていると肌が乾燥してだんだんかゆくなってきた経験ありますよね。ミドル脂臭の記事でも書きましたが、肌が乾燥してくると身体は皮脂を分泌して肌を守ろうとしますが、これが足の臭いの原因だったりします。

ウール素材で少し暑めの靴下を履いていれば車内があったまるまでの間、また肌に直接ヒーターの風を当てなくても十分な保温力、保湿力を発揮してくれます。

夏は暑いのでは ? そんな事はなくてウールには体温を一定に保つ働きがあるようで、少々厚手の物を履いていても、よく汗を吸ってくれて、それが蒸発するときに気化熱をうばっていくので逆に涼しく感じますよ。綿は肌触りは申し分ないので休日に家で履くようにしています。

靴の中でヨレない

歩行中に靴下が靴の中であるにもかかわらず、だんだん脱げてしまう。といった経験ありませんか ? どんな靴でも足と靴底の間に空間ができてしまいます。化学繊維のみの素材でつくられたものは、速乾性にはすぐれていますが、商品によってはやや足裏が滑る感じがありますね。

そこで登山用の靴下に注目です。私は足のサイズが25.5㎝で男性としてはやや小さめですが、近年、大型のスーパーの衣料品売り場に並んでいる靴下のサイズはだいたい男性用は、25㎝〜27㎝という表記となっています。以前は24㎝〜26㎝という表記の物もあったと記憶していますが、25㎝〜27㎝だと私の足には若干サイズが大きいと感じます。

その点登山用の靴下は、いまでも24㎝〜26㎝の表記のものがあり、またさまざまな厚みが用意されているので、足と靴のズレを防ぐための選択肢が多いです。できれば通販でなく実際のショップにいって感触を確かめるのが良いですね。

私も自宅にいるときは、普通のその辺にある靴下ですごしますが、仕事の時は、登山用の靴下勿論メリノウール素材の物で、中くらいの厚みの物を使用しています。更に登山用の靴下はかかと、足首、つま先、土踏まずから足の甲の辺りに補強がしてあって、例えるとスポーツ選手がやるテーピンクとにたような適度な締め付け感があって、それが快適なフィット感となります。

足の感触が靴下で全然かわってきますよ。

チクチクしない

肌に直接触れる下着などの衣類はなんといっても肌ざわりが良くないと身に着けていてストレスの要因となりますよね。

靴下も全く同じで、しかも足は一日でかなりの汗をかいています。汗を適度に吸収し、また素早く乾燥させる機能をもった素材の靴下を選びましょう。一日中はいている靴下がだんだん湿ってきて、最悪、ほぼ濡れた状態のままでいると、足の皮膚がふやけてしまい、そこに雑菌が繁殖して臭いの原因を作ってしまいます。その臭いが靴にまでついてしまうと、ずっと足が臭いという最悪な状態になってしまいます。

また、ふやけた皮膚は擦れた時に傷つきやすく、足の皮がむけたり、靴擦れ、まめ、みずぶくれ、などのトラブルが発生してしまいます。登山ではかなりの致命傷で、歩けなくなってしまいます。

登山用の靴下は汗をすって靴の中を一定の環境に保つような工夫がされていますので、足の臭いにも効果が期待できます。以前、ウール素材はチクチクするといわれていましたが、メリノウールは毛が少し細いのと、加工技術の進歩によってそんな心配はありません。

実際に私が履いている靴下

綿の靴下 どの地域でも必ずある大型スーパーの衣料品売り場で見つけた靴下ですが、珍しく「登山用」と書かれていて、一足1000円前後で陳列されていたので買った靴下です。 登山用にしてはちょっと薄く、残念ながらメリノウール素材ではなく綿でした。 しかし、普通の靴下よりは厚く綿の肌ざわりがよく、なかなか良い履き心地です。 詳しくは、綿20%+化繊80%の混紡で吸湿性と速乾性が両方揃っていてお気に入りの靴下です。 綿の割り合いが多くなると吸湿性がアップし、化繊の割合が多くなると速乾性がアップします。 ご自身の体質に合わせてベストな割り合いを見つけてほしいのですが、だいたい50%+50%の物をよく目にしますので、その辺りから使ってみていいと思います。

メリノウールの靴下 現在、メインで使用している靴下です。買い替えの時もだいたいこれを買っています。 メリノウール50%+化繊50%の素材でできていて登山用として販売されています。 実際には登山となるとちょっと薄い感じですが、普通の靴下よりはやや厚めで今の私の作業環境にピッタリです。 つま先やかかとなどの穴が開きやすい部分はしっかり補強がされていてるのでフィット感がとてもよく、全体的に暖かいですね。 それから足首あたりのしめつけがきつくなくて、靴下を脱いだ後、肌にあとがのこったり痒くなったりしないのもうれしいですね。 Amazonでも販売されていて、2足で3000円位しますが、たまに40%offになってます。

本格的な登山用靴下 白山に登った時に実際に使用した靴下です。買ってからかなりの月日がたちましたが、登山以外ではあまり履かなかったのと、一足3000円位したという事もあって大事にしていました。 メリノウール70%を含んでいて、保温性、保湿性、吸湿性、速乾性それぞれのバランスが良くて厳しい環境でも足の状態を一定に保ってくれます。 写真の上が登り、下が下山の時に履いていたもので、下のほうがさらに生地が厚いです。 これだけ厚いと靴のサイズも見直す必要があるかもしれませんが、一日中屋外で作業をされる方にはいいかもです。 寒い日は靴下のかさね履きなどをするかと思いますが、かえって締め付けがきつくなり足の血行が悪くなって特に足先が冷たくなってしまいます。 値段は張りますが、足元が快適だと作業もはかどりますね。

靴下の選び方まとめ

・靴の硬さに合わせてクッション性の高い物を選ぶと疲れにくい。

・自分の生活環境にピッタリフィットする厚みを選び足元のストレスを解消する。

・ウールの割合が多い物を選び足の保温、保温を一定保つ。

・靴の中の高温多湿状態を防ぎ足の臭いを軽減するために温度調整機能があるメリノウールを使用してみる。

・肌触り・フィット感・温度調整力など総合的に見ると、登山用のアイテムで使用されているメリノウールと化繊の混合素材が良い。

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