【30代女性の体臭】脂っぽい臭いの原因はミドル脂臭

皮膚の構造

女性にとって体臭問題は、大変気になる問題の一つですよね。30代も半ば位になってくると自分でもかすかに嫌な臭いを感じてるかもかも ? その原因となる「ミドル脂臭」の発生のメカニズムと対処法についてお伝えしようと思います。

汗臭いのとは違う脂っぽい変な臭いの正体

若い人から高齢の人まで全ての人は、体温を調節するため汗をかきます。一般に「汗臭い」と言う言葉もありますが、汗の臭いがそのまま体臭ではありません。汗は全身に張り巡らされた「汗腺」から水分を蒸発させて体温を一定にたもっています。汗腺は、二種類あってそれぞそれ「エクリン汗腺」「アポクリン汗腺」といいます。

エクリン汗腺は全身に分布していて、こちらから出る汗は99%が水分ですから、無臭であり、体臭そのものではありません。一方のアポクリン汗腺は、脇の下やおへそのまわりなどの頭以外の濃い体毛のはえる場所に分布しています。

アポクリン汗腺の役割は、体温の調節ではなく、多くの動物が仲間の識別をするためにニオイのある汗を作りだすのが本来の役目だったようです。しかし、人間はこれらの働きが必要なくなり、体の局部にだけのこっているようです。

ところで、この汗腺のそばには体の毛穴すべてに存在する「皮脂腺」があります。脂肪分を分泌する器官で、この働きによって肌の表面や髪の毛は潤いを保つことができます。しかし、この皮脂が汗とまざってしまうとニオイの原因になってしまうのです。

皮脂の分泌量が最大となる30代は臭いが変化する過渡期

肌の表面に出てきた皮脂は、それほど臭いはありませんが、脂は汗や古くなった角質いわゆるアカとまざり、更に時間がたつと空気中の酸素によって酸化して変質します。鉄が錆びていくのと同じ状況で、まさに脂が古くなったような状態にになります。また、脂の混ざった汗やアカは、皮膚表面に住む常在細菌によって分解され、臭いを発するようになるのです。これが脂っぽい変な臭いの正体です。

若い世代の人は、脂がそれほど分泌されませんが、皮膚そのものの新陳代謝が活発でアカがたくさん出るのと、発汗が多いのが特徴で、それが常在細菌によって分解されると鼻に「ツン」とくる汗臭い状態になっています。反対に、年齢を重ねて30代になって来ると、だんだん新陳代謝が少なくなって「ツン」とした臭いは少なくなりますが、代わりに皮脂の分泌量が増えて脂っぽい臭いに変わっていくのです。

30代は、若い特徴を残しつつも皮脂の分泌量が全世代でもっとも多くなるため体臭がいちばんきつくなる時期と言えるでしょう。この脂っぽい臭いの原因は「ぺラルゴン酸」と呼ばれる物質で10代20代でも40代50台でもない、30代特有の結構強い臭いで「ミドル脂臭」とよばれています。

ペラルゴン酸は、9個の炭素鎖の末端にカルボキシル基を持つ飽和脂肪酸である。 「使い古した食用油に似た不快なにおい」を持つ油状の液体で、水にはほとんど溶けないが、クロロホルムやエーテル、アルコール、酢酸エチルにはよく溶ける。消防法に定める第4類危険物 第3石油類に該当する。 ヒトの皮膚にも存在し、加齢に伴うにおいの原因物質(ノネナールによる「加齢臭」とは別)として、2008年に特定された。皮脂の酸化による「30代特有の臭い」であり、ポリフェノールが豊富なメマツヨイグサ抽出液によって、においが緩和(酸化抑制)されるという報告もある。 酸化される要因としては、紫外線などの外的なものや、ストレス・生活習慣の乱れなどによる内的なものがある。特に30代は皮脂分泌量がピークとなるので、酸化が顕著だと言われている。発生源は皮脂腺の多い胸・背中、首周りなど。

出典:Wikipedia

30代からの臭い発生のメカニズムを知って正しい対処法を

私自身の事を振り返ってみるとたしかに中学生の頃は、よく部活をやったあと「お前、汗臭い !」などとよく言われたし、反対に言い返したりした事もありましたが、当時は、乾燥機なんてものはなくて、体操服を生乾きのまま持って行って、そのまま部活で使うから、汗の臭いと雑巾の臭いが混ざったような酷い臭いをまき散らしている人は、自分も含めて大勢いたような・・・汗

しかし若い人の臭いは、角質と汗が常在細菌によって分解されるときに発生するので、きちんと風呂に入って体を洗い、更に石鹸で細菌や微生物を殺菌すれば、簡単に抑えることができます。30歳以降年齢を重ねる程に臭いが複雑になって対処方法も厄介になるのです。

では、30代女性はどのようにすればよのか ?

泡立てる女性

正しい石鹸の選び方

体臭が気になってきたら、まず「医薬部外品」と明記されている製品を使ってみましょう。薬用石鹸は、医薬部外品に準ずる物で薬品と化粧品の中間にあって、今回ならミドル脂臭に対して効果のある有効成分を記載することができる製品です。

病院などで処方される医薬品ほどの効果は期待できませんが、処方箋なしで使うことができるので、試してみる価値は十分あります。石鹸を変えることに抵抗があるのであれば、おなじ会社の製品でワンランク上の物にするか、それでも心配であれば、パッチテストをやってから使用を開始すればトラブルは防げますす。

体の臭いを抑える目的で販売されている石鹸によく使われてる成分をまとめてみました。

ポリフェノール
お茶の葉やブドウの皮などの濃い色の部分に多く含まれていて紫外線や酸素から、葉っぱや種が酸化しないように保護している物質でこの作用により人が分泌する皮脂の酸化を抑えて臭いを防ぐ。


「多孔質」という性質をもっていて、体からでた皮脂の成分が炭の穴にはまって臭い成分を吸着し除去する効果があります。脱臭剤などでもよくつかわれているし、炭のシャンプーや炭の石鹸などよくみかけますね。

柿渋
古くから防腐剤、脱臭剤として建物の木材などに塗布して使用されてきました。ポリフェノール素材の柿タンニンを含んでいて現在、体臭対策の製品に最も多くつかわれています。

この他にも殺菌力、洗浄力の強い化学物質なども含まれるわけですが、できれば上に上げた天然素材に注目して頂き、体に優しい製品を選んで下さい。なによりご自身の体にあっている事がなによりも大事です。

身体の洗い方

体の中で皮脂の分泌量の多い箇所を意識して洗うのが効果的です。

皮脂の分泌量の多い箇所

1・頭皮
2・額から鼻にかれてのTゾーン
3・耳の後ろから首全体
4・両胸、胸の中心部
5・両腋
6・背中の中心部
7・へそとその周辺
8・陰部

しかし、困ったことに臭いの原因である皮脂を取り除かなくてはならないのに、皮脂は取り除くと逆に肌の乾燥を防ごうとして再び皮脂が分泌され、それがまた細菌の働きで分解され、体臭を発生させてしまいます。お風呂あがりのご主人が何となく臭いのは、このせいでしょう。。。汗

結論から言うと、上記の8つのゾーンを意識して、泡立ちタオルや泡立ちネットを使用し、力を入れずに全身を泡で包みこむ感じで洗う。

◆ 石鹸を泡立てるに関する記事はこちら ◆

私も以前は、化学繊維のタオルでゴシゴシあらっていました。泡立ちはいいのですが、これで力任せにゴシゴシ洗うと、余計に皮脂を洗い流してしまって逆効果、おまけに皮膚が乾燥状態になり冬場は身体がかゆくなったりします。

現在は、まず泡立てタオルでキメ細かい泡を作ったらそれを手にとり、全身に伸ばすように洗います。この時、なるべく力をいれずに、届く所は手で洗い、背中など手がとどかない箇所は、そのまま泡立てタオルで洗います。コツとしては、洗う面と手の平の間に泡をはさんで滑らせる感じですね。

まとめ

・30代の体臭は「ぺラルゴン酸」と呼ばれる物質が原因で「ミドル脂臭」という。

・若い世代の「汗臭さ」は角質と汗が菌で分解されるのが原因。

・30代以降の「脂っぽい臭い」は皮脂の酸化によるもの。

・臭い除去に効果のある薬用石鹸を使う。

・ゴシゴシ洗いは、かえって体臭を強くする。

・キメ細かい泡を作ったらそれを手にとり、全身に伸ばすように洗いましょう。

 

 

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