どんな方でもその人それぞれ活躍できる場所があると思うのですが、誰でもある体臭が原因でよからぬ結果になってしまって私自身も納得いかなかった職場での体験です。
日々様々なお客様の接客を行っている、とある小売店勤務の独身女ですが、もちろん体臭のきつい方いらっしゃいます。ですがそのようなお客様の接客も時間にしてみれば大したことありません。
あまりにキツイ場合は上手いこと他の従業員に引き継いだりすることもありますが、私にとっての印象に残った臭いの体験は、まさかの身内からでした。
私が24歳の春、大学1年生の男の子がアルバイトの面接にやってきました。人手不足だったこともあり即採用、彼はレジへ配属されました。しかし直後から従業員の間で
「奴のワキガは尋常じゃない!」
と声が上がり始めました。
私は勤務時間帯も彼と重ならない上、もともと慢性鼻炎気味で鼻詰まりがひどかったのであまり実感なし。
「そこまで言うほど?」
とまわりの盛り上がり方に違和感を覚える程でした。
夏になるとやっぱりキツイワキガの 臭いが
彼は真面目に勤務しており、ミスもあまり無い優秀な「アルバイトさん」と認められていたようです。ただ一点、ワキガ臭を除いて。
彼が働き始めて3ヶ月後のお盆のことです。この頃になるとさすがに私でも彼のツンとくる臭いを感じるようになりました。
「確かにこれはキツイかも」
しかし、田舎のろくにアルバイトも集まらないこの小売店にとって彼は貴重な人材です。
来店されるお客様もほとんど常連さんで穏やかな方ばかり、なので表立って彼に体臭を指摘するような人は一人もいませんでした。
しかし事件は起きてしまいました。
私は休憩時間に昼食を買うためこの店のレジに並びました。ちなみに、従業員でも商品を購入する場合は並んで購入します。
この時期は帰省された方も多く、お客様の数は急増します。レジも多くの方が並んでおり少し待つことに。すると香ってくるのが彼のワキガ臭。
「これはチョットヤバイかも・・・」
売上誤差ですか ? 貴重な人材だっただけにとても残念
それが暑い夏、忙しさもあいまって普段より汗の量も多くなっていたのか、数段キツイものになっていました。まわりのお客様も異変に気付きザワザワし始めました。
ほぼ毎日店にいる私でもこの感覚なのですから、普段来店されないお客様も多数来店くださっているので当然ですよね。帰っていくお客様の顔はなんとも言えないものばかりでした。
その後、彼は大きな売上誤差を続けて出してしまったそうで、いつの間にかいなくなってしまいました。しかしウワサによるとお盆のあいだに相当数のクレームが入ったとか。
ちょうどいいタイミングで辞めてもらったとしか思えません。
たしかに体験したことないレベルのワキガでしたが真面目ないい子だったし、大学生なら若いし体力もあるので、田舎のローカルなお店でも、もっと活躍してもらえる場所があったのではないかと思うととても残念です。
そこで一言言わせてください。
「店長、あのアルバイトさんにレジはムチャでしょ!」