私が大学1年生…19歳の頃の忘れられない体験です。私は大学に入るまでバイト経験もなく、女性でありながら化粧やお洒落も興味がなく、世間知らずな高校生でした。特に着ていた服装はトレーナーやTシャツ、ジーンズとスニーカーという様な恰好で、ボーイッシュでかっこいいと思っていました。大学も少人数の大学で、仲良くなった友達は私と同じような感じの、あまり服装や化粧に興味がなかった子が多かったです。
ただ、その友達の中の1人が好きだったロックバンドを私も好きになり、大学に入学してから始めたバイトで貯めたお金で、ライブに行くようになりました。好きになったらとことんハマる性格の私は、近場だけでなく地方へ遠征も行ったりしました。
ネットで知り合った人の影響でオシャレに走る私だったが
友達もさすがにそこまでは行けない、ということが増え、地方でバンドの話ができる友達を探すためにネットの掲示板で友達を募集しました。そこで出会ったのが、二つ上のアパレル系の会社に勤めるお姉さんでした。初めて会った時はもちろん緊張しましたが、共有の話題とその人の人柄ですぐに打ち解けることができました。
しかし何より私が気になったのは、その人の磨かれた外見と、ファッション。私は初めてこんな風になりたいと思うようになり、化粧も変え、服装も変えました。今までスニーカーしか履かなかった私が初めてパンプスやブーツを買う…。正直、ドキドキしました。
さてその人と出会って一年経つか経たないかの時に、2日間ライブに行くことになったので泊まりに来ないかと言われました。夜もバンドの話ができると嬉しくなった私は承諾し、お邪魔しました。一日目、ライブが終わってその人の家に行き、さっそくコタツに潜り込みました。12月か1月、私はタイツとブーツという格好をしていったと思います。
我慢できないその臭いの発生源はこの家じゃなくこの足
コタツに潜り込んで話をしながら、「何かこの人の家臭うなぁ」と、思いました。しかも、コタツから我慢できないような臭いがするのです。無視できるような臭いではなく喋っていても何度か言葉に詰まり、眉も顰めそうになりましたがそんな失礼なことできません。その内にお風呂が沸いて先に入るように促されました。
脱衣所で服を脱いでいると、まだ臭いは続いています。部屋全体の臭いなのかなと思いながらタイツを脱いだ瞬間、その臭いは更に強くなりました。「えっ!」と、思いタイツに顔を近づけると、臭いが強くなりました。その不快な臭いはタイツからだったのです。
ライブの余韻が吹き飛ぶ程の強烈な臭いを体験
一日中履いて汗を掻き、更にブーツで蒸れた汗の臭いがこんなに強烈な臭いになるとは思いもしませんでした。ただただショックで、ライブの余韻が吹き飛んだのを覚えています。ちなみにタイツは一本しか持っておらず、次の日のライブもそのタイツとブーツを履いて行くことになりました…。
臭いの対処法は何もできず、でした。予備を持ち歩くとか、コンビニで買うとか、消臭剤を買うとか、今では当たり前にすることが、何故あの時できなかったんだろうと思いますが、ライブより正直足の臭いが周りに嗅がれていないかの不安の方が大きかったのを今でも覚えています。ちなみにその時泊めてくれた年上のお姉さまは何も言わず、今でもいいお友達です。